アプリ研究No.6 pickme
最近Pythonの事ばかり書いていたので、たまにはマーケティング関連のことも考察していきたいと思います。
2017年9月1日にリリースされた同級生専門SNS「pick me」について考察したいと思います。
どんなアプリで、どんな風にグロースするのか、どんな風にマネタイズしていくかを考察します。あくまで考察になるので、一個人の意見として受け止めていただけると幸いです。
同級生専門SNS「pickme」とは?
上記リンクにプレスがありますので、それを読むとだいたいどんなアプリかイメージがつくかもしれません。
最もイメージとして近いのは、mixiだと考えています。学校の同級生ごとに集まれる居心地の良い空間を作り出すべくリリースされています。
昨今のSNSのTwitterやinstagramでは、フォロー / フォロワーという関係で空間創生され、どこか周りの目を気にしなければならない面があるかもしれません。
また、1人で複数のアカウントを作成する人がいる事を考えると、自らのステータスごとに振る舞いを変えたいと考えている人は案外多いのかもしれません。
pickmeの使い方
実際にアプリをインストールして使ってみました。アイコンは上のようになっています。
pickmeを起動すると上記のような画面が開きます。
LINEでサインアップするか、そのほかにはpickme独自のIDを利用する方法があります。
今回は、独自のIDで始めました。
大学、高校、中学、小学校を登録すると上記画像のように学校ごとのルームに移動します。ただし、一定数いないと機能しないようでまだしっかりと使えていません。
またTwitterアカウントと連携する事でシークレットで招待を送れるみたいです。
SNSなので人が集まらないと始まりません。バイラル的に人を増やしていきたいのでしょう。
ある一定人数集まらないとSNSが始まらないのも、この招待で人を増やすためだと考えられます。
pickmeはどうやってグロースさせるか
ここからは、考察になります。
pickmeを今後どのようにグロースさせていくのか。
まず、UUをある一定人数まではこの招待というシステムで増やしていけると思います。またSNSなのでDAUも重要になってくると考えられます。これは人数が増えればコミュニティが活性化されて、ログインする人数も増えていくでしょう。
また、プッシュ通知を効果的に使えればある程度のDAUは維持できるでしょう。
Twitterとの住み分け
Twitteとはうまく住み分けできるのでしょうか。まず、Twitterがフォロー / フォロワーで繋がる空間だと考えるとpickmeは、もう一つの学校空間として存在できるかもしれません。
ただし、Twitterでも学校の人しかフォローしない人などはわざわざpickmeに居続ける理由も少なくなります。
LINEとの住み分け
一方で、学校のグループラインが存在している場合は、LINEに持っていかれそうな感じです。
写真、動画共有はLINEで済んでしまいます。また、LINEが市民権を得ている点でpickmeが浸透するには時間がかかりそうです。
pickmeとLINEの住み分けを狙うには、やはりどれくらい人を集めることができるか、どれくらいチャットやタイムラインの部分がうまく機能するかだと思います。
またmixiのように紹介文を書きあう文化などができればうまく差別化できるのではないでしょうか。
pickmeのマーケティングとマネタイズ
pickmeのチャネルは、現在のところ他のSNSが有力でしょうか。Twitterにある意味「飽き」を感じている人や「疲れている人」に向けて広告をうつなどが考えられますね。
また、学生へのターゲティング広告にするよりもmixi全盛期の30代前半から20代後半を狙ったマーケティングも効果的かと考えられます。
また年齢層的にはyoutubeなどへの動画広告も面白そうです。リアルなイベントとの相性も良さそうですね。
マネタイズ
一方でSNSということでマネタイズが難しいです。
少し古めの記事になります。
SNSの主な収益モデルは下記の3つになります。
- 広告収益
- 課金型
- データ提供
最も、文字投稿型のSNSは広告の比率が少なくなりますからマネタイズするまでに時間がかかります。
次に課金型ですが、今回は同級生で使えるSNSということで中学生、高校生、大学生のユーザーが増えていきそうです。学生が使えるお金は限られてますから、少額課金をどこかに施す事になりそうです。
また、20代後半から30代のmixi全盛期のユーザーをどれくらい取り込めるかにかかってくるかもしれません。
どちらにせよARPUを伸ばすのが難しそうな事業だなという印象です。LINEのスタンプのように少額課金をうまく実装できればグロースしていくかもしれません。
売り上げ = ARPU × ユーザー数
ユーザー数は、WAUやUUなど因数分解できますが、今回はそこまで細かくしません。とにかくユーザー数をいかに増やしていくかが全てになっていきそうです。
pickmeまとめ
いろいろ書きましたが、個人的にはすごく応援したくなるサービスです。近年マストドンなど「つながり過ぎない」SNSが密かに盛り上がっています。
学校という社会の中で、他の世界と繋がり過ぎないをうまく再現できたら面白いサービスになりそうです。